空き家272万戸が活用困難、48万戸は再生可能、国交省が推計

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国土交通省が推計

(2015年10月27日)

国土交通省は10月26日、賃貸や売却物件、二次的住宅を除く全国の空き家320万戸のうち、15%にあたる48万戸は利活用可能、それ以外85%の272万戸は活用困難とする推計を明らかにしました。

 

耐震性、腐朽・破損、最寄駅からの距離(1q以内)を条件に推計。利活用可能な市街地などの空き家は、今後、人口減少が進むなか、行政や医療などの機能を中心部に集約するコンパクトシティ―の形成などまちづくりを進める上で、有効活用していく方針です。

 

社会資本整備審議会・住宅宅地分科会(2015年10月26日)に提出した資料「空き家の現状と論点」で示しました。

 

空き家の現状

空き家の種類別内訳(2013年)

空き家総数 8,195,600(戸)

 

空き家の種類別内訳

 

※ 2013年度住宅・土地統計調査(総務省)より

 

二次的住宅 別荘 週末や休暇時に避暑・避寒・保養などの目的で使用される住宅で、ふだんは人が住んでいない住宅
その他 ふだん住んでいる住宅とは別に、残業で遅くなったときに寝泊まりするなど、たまに寝泊まりしている人がいる住宅
賃貸用の住宅 新築・中古を問わず、賃貸のために空き家になっている住宅
売却用の住宅 新築・中古を問わず、売却のために空き家になっている住宅
その他の住宅

上記以外の人が住んでいない住宅で、例えば、転勤・入院などのため居住世帯が長期にわたって不在の住宅や建て替えなどのために取り壊すことになっている住宅など(空き家の区分の判断が困難な住宅を含む)

 

空き家数の推移

空き家数の推移

 

※ 住宅・土地統計調査(総務省)より

 

簡易な手入れで活用可能な物件は48万戸

総務省の統計データによると、全国の空き家は2013年10月1日時点で820万戸。そのうち、賃貸・売却用と二次的住宅(別荘など)を除く戸建て・共同住宅は320万戸です。

 

国土交通省は、この320万戸について、@耐震性、A腐朽・破損、B立地の状況(最寄駅から1q以内)を条件に、利活用が有望な物件かどうかを分類しました。

 

その結果、耐震基準を満たし、腐朽・破損のない物件は103万戸。そのうち最寄駅から1q以内で、簡易な手入れで利活用可能な有望物件は48万戸と推計しました。

 

この再生可能な48万戸以外の272万戸は、1981年以前の旧耐震基準で建てられていたり、大規模な傷みや破損があったり、最寄り駅から遠く交通の便が悪かったりして、活用が困難とされました。

 

空き家発生理由でもっとも多いのは相続

空き家が発生する原因で最も多いのは相続です。

 

国土交通省が、空き家の所有者に取得経緯を調査したところ、「相続して取得」が56.4%で最も多く、過半数を占めています。「新築として注文・購入」20.5%、「中古として購入」16.9%を大きく上回っています。

 

国土交通省は、今後、空き家の利活用や除去を促進するために、空き家管理ビジネスの活性化、空き家のリフォームを促進する支援策、自主的な除却を促進する支援策などを検討する方針です。

 

また、国土交通省は、2016年度税制改正要望で、空き家を相続した際の撤去やリフォームの負担軽減策を新たに創設するよう求めています。

 

2016年度税制改正(租税特別措置)要望事項
「空き家の発生を抑制するための特例措置の創設」

2016年4月1日から一定期間内に、旧耐震基準の下で建築された居住用家屋(被相続人のみが居住しており、相続後、空き家となった場合に限る)を相続し、相続後一定期間内に当該居住用家屋の耐震リフォームまたは除却を行った場合、標準工事費(上限250万円)の10%を所得税額から控除する。

 

空き家272万戸が活用困難、48万戸は再生可能

 

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