自宅を買い換えるなら定年退職後よりも現役時代の方が税金が安くなる

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現役時代に住み替えする方が税金が安くなる

「子どもたちが独り立ちして部屋が余っているし、階段の上がり降りが辛くなり二階建ては使いづらい」と、定年後に住み替えを考える方が多いものです。

 

しかし、これは、税金の面で損する場合があります。

 

自宅を売却すると、地価の下落などのため、譲渡損失が発生するケースが少なくありません。

 

そんなとき、給与所得など他の所得にかかる所得税を軽減できる特例がありますが、この特例は、退職後よりも現役時代に使う方が有利です。

 

現役時代に住み替えると「節税効果」が高い

定年後、いま住んでいる一戸建てを売ってマンションへ移り住むことを考えはじめた、矢目多さん(仮名・62歳・無職)のケースで見てみましょう。

 

矢目多さんは20年前にマイホームを購入しました。現在の相場で売ると、2,800万円の譲渡損失が生じる見通しです。こういう場合に使えるのが、損益通算と繰越控除です。

 

自宅を売却して譲渡損失が生じたとき、一定の要件を満たせば、給与所得など他の所得から損失額を控除できます(損益通算)。売った年に控除しきれない額については、翌年以降3年間は同様の控除が可能です(繰越控除)。

 

通常、不動産売却で譲渡損が出ても、給与所得など他の所得から控除することはできませんが、居住用財産(自宅)の売却で譲渡損が出た場合は、他の所得からの控除が特例で認められています。

 

矢目多さんは、定年前、年間給与所得が700万円ありました。

 

もし、そのころに売っていたら、売却価格が現在と同じとすれば、その年は譲渡損失の損益通算で所得税はゼロになります。譲渡損失は、まだ2,100万円残っているので翌年以降3年間にわたり繰越控除が認められます。

 

つまり、矢目多さんは、自宅を売却した年も含めて4年間、給与所得にかかる所得税がゼロになるのです!

 

なお、この特例の適用を受けるには、譲渡資産の所有期間が5年超で、買換資産に10年以上のローンがあることなどが条件です。

 

矢目多さんがマイホームを購入したのは20年前。買い換えるマンションの購入にローンを組む予定なので、条件を満たします。

 

しかし、退職後は、譲渡損失を控除できる所得はわずかです。矢目多さんは、「給与が高かった現役時代に買い換えすればよかった」と後悔しています。

 

住み替えは、現役時代がおトク

自宅を売却して譲渡損失が発生するようなら、退職後でなく現役時代に、つまり給与所得が高い時期に売却して「譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例」を使う方が、特例の効果が大きいのです。

 

また、都心部を除き、地価は下落傾向にあります。もし、買い換え・住み替えの予定があるのなら、早めに決断するのが良いかもしれません。

 

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