譲渡所得・課税譲渡所得の計算方法

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「譲渡所得」と「課税譲渡所得」

土地や建物などを売って得た利益(売却益)を「譲渡所得」といいます。譲渡所得は、「売却価格(譲渡収入)」から「取得費」と「譲渡費用」を差し引いて計算します。

 

なお、マイホームを売却したとき、譲渡所得の全額に対して課税されるわけではありません。あとでご紹介しますが、特別控除の特例があり、譲渡所得から控除できます。譲渡所得から特別控除額を差し引いた額(控除後の額)が「課税譲渡所得」です。

 

この「課税譲渡所得」に税率をかけて、不動産の譲渡(売却)により得た「譲渡所得」にかかる税金を計算します。

 

つまり、「譲渡所得」「課税譲渡所得」の計算は次のようになります。

 

譲渡所得=譲渡収入−(取得費+譲渡費用)

課税譲渡所得=譲渡所得−特別控除

 

  1. 譲渡収入

    土地や建物の売却価格です。固定資産税の清算金も含みます。

  2. 取得費

    売却した土地や建物を過去に取得する際に要した費用です。

  3. 譲渡費用

    土地や建物を売却するのに支出した費用です。

  4. 特別控除

    居住用財産を譲渡したときの3,000万円の特別控除などがあります。

 

これを図で表すと、次のようなイメージになります。

 

課税譲渡所得イメージ

 

譲渡収入

「譲渡収入」とは、土地や建物を売却(譲渡)して得た金額で、「売却価格」のことです。「固定資産税・都市計画税の清算金」も、譲渡収入に含まれます。

 

固定資産税・都市計画税の「清算金」とは?

固定資産税や都市計画税は、その年の1月1日に土地・建物を所有している人に課税されます。納税義務者は、不動産を所有している売主です。

 

年の途中で売却したからといって、按分して固定資産税や都市計画税が、市町村から返金されることはありません。

 

そのため不動産売買では、固定資産税や都市計画税を、売買した物件の引き渡し時期に応じて売主・買主の間で按分し、清算するのが一般的です。

 

売買の中で清算されますから、この「清算金」は、買主側は購入代金の一部となり、売主側は譲渡収入の一部となります。

 

取得費

「取得費」とは、売却する土地や建物を、過去に取得する際に要した費用のことです。その土地・建物の購入代金のほか、取得にともなって支払った仲介手数料、売買契約書の印紙代、登録免許税、登録手数料、不動産取得税、取得後に行った増改築費用などが含まれます。

 

なお、土地と建物で、取得費の計算方法が異なります。土地の場合は、購入代金や購入手数料などの合計額(取得価額)が取得費となりますが、建物の場合は、年々、資産価値が減少するため「減価償却費相当額」を取得価額から差し引きます。

 

売却価格が3,000万円を超す場合は、取得費の計上が税額を左右する!

自宅を売却した譲渡所得には「3,000万円の特別控除」があり、売却価格が3,000万円以下なら税金はかかりません。売却価格が3,000万円を超え、控除しきれない売却益が出る場合は、取得費をどう計上するかが税額を左右します。

 

建物は減価償却により、経年ごとに取得費が減っていきます。しかし、建物の価値を上げるようなリフォームをしていれば、その費用を取得費に積み上げることができます。リフォームの領収書は、自宅の売買契約書などといっしょに大切に保管しておくことが大切です。

 

相続や贈与で取得した土地・建物を売却したときの取得費

相続により取得した土地・建物は、被相続人(亡くなった方)の取得日と取得価額が相続人に引き継がれます。贈与の場合も同様です。

 

なお、土地や建物を相続したとき、相続税を払ったうえに、売却すると譲渡所得にも税金がかかることになります。

 

その税負担を軽減するために、相続により取得した土地・建物を相続発生から3年10ヵ月以内に売却した場合は、「相続税の取得費加算の特例」により相続税分を取得費に含めることができ、課税譲渡所得を減らすことができます。

 

2016年4月1日以後の譲渡で「相続した空き家を売却したときの譲渡所得の特別控除の特例」を適用する場合は、「取得費加算の特例」を受けることはできません。

 

取得費が分からない場合

取得したのが、かなり昔であったり、先祖代々の家だったりで、契約書や領収書が残ってなくて、取得費用が分からない場合もあります。

 

そんなときは、譲渡収入金額の5%相当額(譲渡収入金額×5%)を取得費とすることができます。これを「概算取得費」といい、この計算方法を「概算法」と呼びます。

 

一方、取得に実際にかかった費用を計算する方法を「実額法」と呼びます。

 

なお、契約書類などが保管されていて取得費が分かる場合でも、その額が売却代金の5%に満たないときは、譲渡収入金額の5%相当額を取得費とすることができます。

 

このように、実額法・概算法で算出された額のうち、大きい金額を取得費とすることができます。

 

 

譲渡費用

「譲渡費用」とは、土地や建物を売却する際に支払った費用です。

 

仲介手数料、契約書の印紙代、測量費、登記費用、借家人の立ち退き料、建物の取り壊し費用、借地権を売却したときは名義書き換え料などの合計金額です。

 

特別控除

特別控除の代表的なものとして、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」があります。マイホーム(居住用財産)を売ったときは、所有期間の長い短いに関係なく、譲渡所得から最高3,000万円まで控除ができます。

 

自宅を売却したときは、特別な事情がない限り、だいたい適用されます。ぜひ利用したい制度です。

 

 

譲渡所得にかかる税金の計算

譲渡所得にかかる税金は、特別控除後の額(課税譲渡所得)に、定められた税率をかけて計算します。

 

税率は、土地・建物の所有期間に応じて異なります。所有期間が10年を超える居住用財産を売却したときは、軽減税率の特例があります。

 

課税譲渡所得にかかる税金の税率と計算方法について、詳しくは、次のページをご覧ください。

 

 

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