不動産を売却した譲渡所得にかかる税金(譲渡税)の計算方法

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譲渡所得にかかる税率は、所有期間によって異なる

土地・建物を売却したときの売却益(譲渡所得)にかかる税金の税率は、その不動産の所有期間によって異なります。

 

売却した年の1月1日時点で、所有期間が5年を超える不動産を売却して得られた譲渡所得は「長期譲渡所得」、5年以下の場合は「短期譲渡所得」と区分され、長期譲渡所得に対する税率の方が低く設定されています。

 

所有期間が10年を超える居住用財産(自宅)は、「長期譲渡所得の課税の特例」があり、税率がさらに軽減されます。

 

売却時期を少し延ばすと、税金が安くなることもある!

所有期間が5年、10年と長いほと税率は低くなるので、売却時期を少し延ばせば、税率が安くなる場合があります。ただし、せっかく高く売れるチャンスを逃しては元も子もありません。

 

売却価格に加え、税金がいくらになるか、つまり、最終的に手元にいくら残るか、総合的に判断することが大切です。

 

目次

  1. 長期譲渡所得と短期譲渡所得の区分の注意点
  2. 長期譲渡所得と短期譲渡所得に対する税率
  3. 長期譲渡所得の課税の特例
  4. 居住用財産(自宅)の譲渡所得に対する税率(まとめ)

 

 

「長期譲渡所得」と「短期譲渡所得」の区分は、ココに注意!

長期譲渡所得と短期譲渡所得の区分で注意が必要なのは、「売却した年の1月1日時点」で、5年を超えているかどうかが基準となることです。「取得してから売却するまでの期間」ではありません。

 

少しの違いですが、この区分を間違えると、納める税金は大きく違ってきますから注意が必要です。

 

譲渡した年の1月1日時点とは? 所有期間計算の注意点!

 

なお、所有期間は、土地と建物を別々に計算します。そのため、場合によっては、土地は長期譲渡所得で、建物は短期譲渡所得となることもあります。

 

相続や贈与により取得した場合の所有期間は、被相続人(死亡した人)や贈与者の所有期間を引き継ぎます。被相続人や贈与者が取得した日が、相続人や受贈者にそのまま引き継がれます。

 

なぜ、所有期間によって税率が異なる?

所有期間によって税率を変えているのは、「地価の安定」や「住宅地の供給促進」がねらいです。

 

所有期間が短いものは、投機的取引を抑制して地価を安定させるために税率を高くし、長いものは、住宅地などの供給促進のために税率を低くしているのです。

 

譲渡所得にかかる税金の税率

  所有期間 所得税率 住民税率
長期譲渡所得

5年超

15%

5%

短期譲渡所得

5年以下

30%

9%

 

2013年(平成25年)から2037年(平成49年)までの25年間は、復興特別所得税が所得税額の2.1%の税率でかかります。ですから、譲渡所得にかかる所得税は、本来の所得税と復興特別所得税の合算になります。

 

そのため復興特別所得税を含め、所得税の税率を、次のように長期譲渡所得の場合が15.315%、短期譲渡所得の場合が30.63%と表記される場合もあります。

 

  所得税(復興特別所得税を含む)
長期譲渡所得
(所有期間:5年超)

15.315%
15%の2.1%分(0.315%)を加算

短期譲渡所得
(所有期間:5年以下)

30.63%
30%の2.1%分(0.63%)を加算

 

「長期譲渡所得」「短期譲渡所得」とも、特別控除後の課税譲渡所得の額です。

 

税額の計算例

所有期間が5年超の長期譲渡所得のケースで、課税譲渡所得が3,000万円の場合の税額を計算してみます。

 

所得税

3,000万円×15%=450万円

復興特別所得税

450万円×2.1%=9万4,500円

住民税

3,000万円×5%=150万円

合計 609万4,500円

 

復興特別所得税を含めた所得税額は、

 

所得税(復興特別所得税含む)

= 450万円+9万4,500円
= 459万4,500円


 

復興特別所得税率2.1%を含めた所得税の税率15.315%を用いると、

 

所得税(復興特別所得税含む)

= 3,000万円×15.315%
= 459万4,500円


 

といった計算になります。

 

長期譲渡所得の軽減税率の特例

所有期間が10年を超えている居住用財産(自宅)を売却する場合は、「長期譲渡所得の課税の特例」によって、税率がさらに軽減されます。

 

この特例は、居住用財産の3,000万円の特別控除の特例との併用が可能です。

 

課税長期譲渡所得 所得税率 住民税率
6,000万円以下

10%

4%

6,000万円超

15%

5%

 

課税長期譲渡所得が6,000万円以下の部分については、所得税率が10%、住民税率が4%となります。6,000万円を超える部分については、長期譲渡所得の原則の税率と同じです。

 

課税長期譲渡所得は、居住用財産の3,000万円の特別控除の特例により、譲渡所得から3,000万円控除後の額です。

 

例えば、課税長期譲渡所得が8,000万円だったとすると、6,000万円については特例により、所得税率10%、住民税率4%が適用され、残り2,000万円については、所得税率15%、住民税率5%となります。

 

なお、この場合も所得税額に対して2.1%の復興特別所得税が加算されます。それを含めると所得税率は10.21%となります。

 

「軽減税率の特例」の適用要件

この特例を受けるには、次の5つの要件すべてに当てはまることが必要です。

 

  1. 日本国内にある自分が住んでいる家屋(自宅)を売るか、家屋とともにその敷地を売ること。

    • 以前に住んでいた家屋や敷地の場合には、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること。
    • これらの家屋が災害により滅失した場合には、その敷地を住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること。
  2.  

  3. 売った年の1月1日において、売った家屋や敷地の所有期間が、ともに10年を超えていること。
  4.  

  5. 売った年の前年及び前々年に、この特例を受けていないこと。
  6.  

  7. 売った家屋や敷地について、マイホームの買換えや交換の特例など他の特例を受けていないこと。

    • マイホームを売ったときの3,000万円の特別控除の特例と軽減税率の特例は、重ねて受けることができます。
  8.  

  9. 売り手と買い手の関係が、親子や夫婦など特別な間柄でないこと。

    • 特別な間柄には、このほか、生計を一にする親族、内縁関係にある人、特殊な関係のある法人なども含まれます。

 

居住用財産の譲渡所得に対する税率(まとめ)

居住用財産を売却したときの課税譲渡所得に対する税率を、特例を含めてまとめておきます。

 

所有期間 課税譲渡所得額
(3,000万円控除後)
所得税率 住民税率
5年以下

全額

30%

9%

5年超

全額

15%

5%

  10年超(特例)

6,000万円以下

10%

4%

6,000万円超

15%

5%

  • 課税譲渡所得額は、3,000万円の特別控除後の金額です。
  • 税率は、課税譲渡所得の全額に対して適用されますが、特例に該当すれば、6,000万円以下の部分に対しては軽減税率が適用されます。
  • 所得税額に対して、2.1%の復興特別所得税が加算されます。

 

売却価格と税金を考慮し、手元にいくら残るか、総合的に判断することが大切です。

 

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