建物の減価償却費相当額の計算方法

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建物の減価償却費相当額の計算

減価償却費相当額は、建物が事業に使われていた場合と、それ以外の場合では異なり、それぞれ次のような額となります。

 

事業用建物

建物を取得してから売るまでの毎年の減価償却費の合計額になります。

 

非事業用(居住用)建物

建物の耐用年数の1.5倍の年数に対応する償却率で求めた1年当たりの減価償却費相当額に、その建物を取得してから売るまでの経過年数を乗じて計算します。

 

居住用建物の減価償却費の計算について詳しく見てみましょう。居住用建物の課税譲渡所得を算出するときの減価償却費相当額は、次のように計算します。

 

建物取得価額×0.9×償却率×経過年数

 

建物取得価額

建物の取得価額には、購入代金のほか、取得するために支払った仲介手数料、登記費用、売買契約書の印紙代、不動産取得税などが含まれます。

 

「0.9」をかける意味

建物には寿命(耐用年数)がありますが、寿命が来ても最低限残る価値があります。

 

これを「残存価額」といい、譲渡所得の減価償却費相当額の計算では、残存価値は取得価額の10%とされています。

 

残存価額を10%とするため、購入代金に 0.9(=90%)をかけます。

 

償却率

償却率は、法定耐用年数によって決まっています。非事業用(居住用)建物の耐用年数は、事業用の1.5倍の年数とします。

 

建物の寿命(耐用年数)は、手入れをすることで延ばすことができますが、税務上は建物の構造や材質によって定められた法定耐用年数を使用します。

 

木造、軽量鉄骨造、鉄筋コンクリート造の耐用年数と償却率は次の通りです。

 

建物の構造 事業用建物 居住用建物
耐用年数 償却率 耐用年数 償却率

木造

22年

0.046

33年

0.031

軽量鉄骨造

27年

0.037

40年

0.025

鉄筋コンクリート造

47年

0.022

70年

0.015

  • 非事業用(居住用)の耐用年数は、事業用の1.5倍で計算されます。
  • 軽量鉄骨造については、骨格材の肉厚が3o超4o以下のものについて掲載しています。肉厚3o以下、4o超のものは、耐用年数と償却率が異なります。
  • 軽量鉄骨造の事業用のうち、2007年(平成19年)4月1日以降に取得したものは、償却率が0.038となります。
  • 減価償却費の計算方法には「定額法」と「定率法」の2つがありますが、建物の減価償却費の計算は、通常「定額法」によります。

耐用年数と償却率は、「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」(財務省令)別表第7・第8を参照。

 

経過年数

経過年数(購入または建築してからの年数)は、1年未満の端数が生じたとき、6ヵ月以上の端数なら切り上げて1年とし、6ヵ月未満の端数なら切り捨てて計算します。

 

例えば、所有期間が20年11ヵ月なら経過年数は21年、所有期間が20年4ヵ月なら経過年数は20年となります。

 

減価償却費相当額は、建物の取得価額の95%を限度とします。

 

具体例で計算してみると…

1995年4月1日に3,000万円で木造一戸建て住宅を居住用に購入。2016年3月1日に譲渡した場合の取得費は?

 

簡単にするために、購入・譲渡時の手数料や諸経費は除外します。

 

取得価額 30,000,000円
償却率 木造(居住用):耐用年数33年、償却率0.031
経過年数 所有期間が20年11ヵ月なので、1年未満を切り上げて 21年

 

 

減価償却費相当額

 

減価償却費相当額

 取得価額×0.9×償却率×経過年数
=30,000,000円×0.9×0.031×21年
=17,577,000円

 

取得費

 取得価額−減価償却費相当額
=30,000,000円−17,577,000円
=12,423,000円

 

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